ウォーゲーム報告紹介
「台湾デジタル封鎖ウォーゲーム」報告書(公開版)(米海軍大学(NWC/CIPI))
(Wargame Report: Taiwan Resilience Project Digital Blockade Report by NWC/CIPI)
- Authored by: Jason Vogt & Nina Kollars
- Edited by: Dan Grobarcik
- Principal Investigators: Jason Vogt, Nina Kollars & Michael Poznansky
- Additional Game Team Members: Ed McGrady, Tiffany Tat, Stephanie Helm, Nick Henerson, Erik Whitworth
概要:
台湾デジタル封鎖ウォーゲームは、中華人民共和国(PRC)との紛争が生じた場合に備え、台湾の情報通信技術(ICT)のレジリエンス(回復力)を向上させる手法を探るものである。このウォーゲームは、米国海軍大学のサイバー・イノベーション政策研究所(CIPI)が実施する研究イニシアチブ「台湾レジリエンス・プロジェクト」の一環であり、台湾のICTセキュリティと運用の理解及び改善に焦点を当てている。「台湾デジタル封鎖ウォーゲーム」は、台湾有事のシナリオにおいて、民間部門や国内の重要インフラ計画担当者が活用し得る多様な能力について、知識の空白を埋めるべく設計された。
2024年8月、世界最大級のサイバーセキュリティ会議である「Black Hat」と「DEF CON」の開催に合わせて、ネバダ州ラスベガスで2回のゲームが実施された。参加した27名のプレーヤーは、サイバーセキュリティ、産業制御システム、データセンター運用、脅威インテリジェンス、海底ケーブルシステム、および政府関係の背景を持つ来場者から事前に募集された。
このウォーゲームは、「インフラ」「サイバーセキュリティ」「復旧」という3つの領域において、台湾のICTレジリエンス向上に役立つ提言を導き出すよう設計された。全体として、プレーヤーは一連の解決策と戦略的アプローチを考案した。記録係は65項目の提言を特定し、そのうちの70%がICTまたは電力インフラの購入や改善に関連するものであった。サイバーセキュリティのみに特化した提言はたった10%で、ソフトウェアや暗号技術を用いた通信セキュリティの強化に重点が置かれた。残りの20%は復旧に関する提言であり、システムの稼働を維持するための「重要交換部品」の備蓄や、台湾市民の技術的スキルの向上に焦点が当てられた。
また、人材育成について、市民向け訓練や「エリート市民サイバー部隊」が提案されたが、コストの不確実性や市民の参加意欲が課題として残る。
今後は、「中央集権」「分散」「内部」という3つの戦略案を特定するとともに、台湾の財政・政治的現実に基づき、各戦略の有効性をさらに検証する必要がある。(以上)
「本報告書で示される見解は執筆者のものであり、米政府・国防省の公式な立場を反映するものではない」としていますが、公開版でも一般に入手可能となったことは、有難いことです。時宜にも適うと思料します。
ご参考迄
(了)
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