速報・論考紹介
「戦略が紙面を離れる時
なぜウォーゲーミングは今なお重要なのか」
“WHEN STRATEGY LEAVES THE PAGE: WHY WARGAMING STILL MATTERS”
米陸軍大学のウォーゲーミング・ディレクターを務める現役海軍大佐による、“WHEN STRATEGY LEAVES THE PAGE: WHY WARGAMING STILL MATTERS” を紹介します。本稿は、軍事専門教育(PME)において執筆による論理的思考の整理とウォーゲーミングによる実効性の検証を組み合わせることの重要性を説いています。
本稿はWar
on the Rocks誌に2月19日付けで掲載されています。
要旨
書面上の戦略は論理的に完璧であっても、現実の不確実性や、適応し抵抗する「思考する敵(thinking opponent)」の存在までは再現できない。ウォーゲーミングは、予測不能な摩擦や決断に伴う責任を疑似体験させることで、リーダーの判断力を磨く。優れた戦略的リーダーを育成するためには、執筆とウォーゲーミングを相補的な教育プロセスとして統合すべきである。
- 執筆は思考を規律化し、複雑な概念を明確にするために不可欠だが、著者の想定が崩れない「管理された環境」での作業に留まるという限界がある。
- 不完全な情報、時間的制約、そして「思考する敵」による抵抗を導入することで、書面上の理論が現実の摩擦に耐えうるかを厳格に検証する。
- 戦略的リーダーシップの本質は「文学的な演習」ではなく、圧力を受ける中での「意思決定の演習」であり、その能力は行動と結果を通じてのみ養われる。
- 第二次世界大戦前の米海軍大学校の例が示すように、ウォーゲーミングの目的は結果の予測ではなく、実戦で通用する「戦略的判断力」を事前に養うことにある。
- ウォーゲーミングを単なる補助的な教育手法ではなく、判断力と適応力を証明するための「専門的能力(コンピテンシー)」として扱うべきである。
- 執筆で構想を形作り、ゲームでその実行可能性を試すという相互のプロセスこそが、説明能力と行動力を兼ね備えたリーダーを育成する。
ご参考迄
(了)
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