2024年12月27日金曜日

続報 CNN Academy in Abu Dhabi 2024報告 (Continued CNN Academy in Abu Dhabi 2024)

 続報

CNN Academy in Abu Dhabi 2024報告

(Continued CNN Academy in Abu Dhabi 2024)

 例年通り、Rex Brynen教授による標記プログラムの報告がPAXsimsに掲載されました。20ヵ国から132人のジャーナリズム専攻の学生が参加し、シミュレーション(メガ・ゲーム)を通じてジャーナリストに必要なスキルを学びました。
 本ブログ筆者は一日だけ覗く機会を得ましたが、プロやインターンを含むセミプロのレポーターも居たようです。日本からの参加はなかったようですが...。

 次回は来年7月にダブリンで実施される由。

(了)

2024年12月16日月曜日

論考紹介:米国防省の「ウォーゲーミング」への批判(An New Article Critisizing US DoD Wargaming by P. Pournelle)

論考紹介

米国防省の「ウォーゲーミング」への批判

(An New Article Critisizing US DoD Wargaming by P. Pournelle)


 尊敬すべき実務家ウォーゲーマーPhillip Pournelle氏が、

"Does it Matter if You Call it a Wargame? Actually, yes." という論考をCenter for International Maritime Security (CIMSEC)の ブログに投稿し、ペンタゴンのウォーゲーミングを鋭く批判しています。以下、冒頭の要点を紹介します。

  • 米国防省が「ウォーゲーム」と呼ぶものの多くは、実際にはウォーゲームではない。
  • このような用語の乱用により、現実的な影響が生じる。
  • 適切に実施されれば、ウォーゲームに類似した活動は必要かつ価値あるものとなるが、同省は真のウォーゲームとそれに類似した活動をより明確に区別する必要がある。
  • ウォーゲームやそれに類似する活動の種類や形式、それぞれが適切となる場面、それらがどのようなものであるか、そしてそれらが何をもたらすのかを理解することは極めて重要である。
  • ウォーゲームとは何か、そして何がウォーゲームではないのかを正しく理解しなければ、同省は資金、時間、そして人材を無駄にするリスクを抱えることになる。
  • 特に、一定の集団が無構造な議論を行うだけでそれを「ウォーゲーム」と呼び、その結果スポンサーが「それを行ったおかげで準備が整った」と主張するようなケースが増加しているのが問題である。
  • このような主張は自己満足的で独善的であり、組織的な学習を促進するものではない。
  • 長年に亘り、分析・ウォーゲームの専門家コミュニティは、既知の基準と期待値を備えたツール・セットを開発してきたが、国防省のリーダーたちはこれらを熟知する必要がある。
  • それは、政府のスポンサーは分析の大規模なエコシステムをコントロールしているからである。
  • 知識を備えたスポンサーや顧客は、自らの目的に適した設計者やイベントを責任をもって選び、それによって優れた戦略を生み出すことが可能となる。
  • 本稿は、ウォーゲーム及びそれに活動の種類と形式、それらが適切な場面、それらがどのようなものであるか、そしてそれらによって得られるもの(そして同じくらい重要なこととして、得られないもの)について簡単に説明する。
  • なお、本稿は同省の政策支援としてのウォーゲームと分析に焦点を当てたものであり、教育や娯楽のためのウォーゲームを対象としたものではない。

 彼のウォーゲーミングに関する言説は常に舌鋒鋭く、かつ知性に溢れています。そして、愛に満ちているようにも感じます。勿論、これはブログ筆者の偏見ですが。

 とまれ、まずは御一読を。


※ 本ブログ筆者はUS DoDを「国防総省」と訳すことに消極的です。逆に、米国の国防機関に他国のそれと別の和訳を当てる積極的な理由があるのでしょうか。


(了)

2024年12月14日土曜日

速報:英加の伝説的ウォーゲーマー、アブダビに現る(Breaking News: British and Canadian Legend Wargamers in Abu Dhabi)

速報

英加の伝説的ウォーゲーマー、アブダビに現る

(British and Canadian Legend Wargamers in Abu Dhabi)

 
 英国のJim Wallman氏とカナダのRex Brynen教授が、今年のCNN Academy Newsgathering and Storytelling Simulationの指揮監督のためにアブダビに来ています。アブダビでの実施は今年で3年目だそうで、最近はメキシコ・シティダブリンでも行われた由。昨年のアブダビでの記録は、YouTubeで視聴できます。
 大手メディアがジャーナリストの教育・訓練のためにこうしたシミュレーション(メガ・ゲーム)を企画し、一流のウォーゲーミング専門家がデザイン・実施を担当し、それが長年継続し、そして欧州・南米・中東でも行われているとは、知りませんでした。

Jim Wallman氏
(メガゲームの神)

Rex Brynen教授
(Connections Northの総帥)

 今日は4日目。12月17日迄続くそうです。いずれ、PAXsimsに成果の一部が紹介されるでしょう。楽しみです。

 ジャーナリストのためのシミュレーションが一番必要な国の1つは、やはり日本ではないでしょうか。特に、有事の危機コミュニケーションにおいては、メディアの役割は重要です。多くの場合、有事シミュレーションではメディアは脇役ですが、メディアを主役としたシミュレーションをやれば、メディア側ももっと多くの改善や学習の機会を得ると思います。いかがでしょうか?

(了)
 


2024年12月12日木曜日

速報:伝説的ウォーゲーマーのインタビュー(Breaking News: Interview with a Legend Wargamer)

 速報

伝説的ウォーゲーマーのインタビュー

(Interview with a Legend Wargamer)


 英国戦略軍のブログに、伝説的ウォーゲーマーであるTom Mouat少佐のインタビューが掲載されました。
 同少佐は今年のピーター・パーラ賞(The Peter Perla Wargaming Award)の受賞者であり、日本にマトリクス・ゲームを教えて下さった恩人でもあります。
 インタビューは多くの示唆に富みます。以下、印象に残った発言(下線部):

Interviewer: What is your favourite wargame and why?

Tom: I don't have a favourite game, because if you keep playing in a game that you know how to win, you are simply being a bully, but I do have a few highlights. One game is Advanced Squad Leader, which is hideously complex, and impossible to play in a reasonable time. It serves as a fantastic example of how not to design an effective game for military use.


 こういうところ、この方らしいです。


(了)

2024年12月3日火曜日

続報:コネクションズ・ノース(カナダ)・プロフェッショナル・ウォーゲーミング会議登録開始!(Breaking News: Connections North 2025 Registration Now Open!)

続報

2025年コネクションズ・ノース(カナダ)・プロフェッショナル・ウォーゲーミング会議登録開始!

(Connections North 2025 Registration Now Open!)

 先日お知らせした2025年2月15日開催のコネクションズ・ノース(カナダ)、登録が開始したのでお知らせします。

 登録はこちらで

(了)

Breaking News: Wargaming Deception Working Group Report

  速報 「欺瞞のウォーゲーム化作業グループ報告書」公表 (Wargaming Deception Working Group Report)   Stephen Downes-Martin博士(米海軍大学)による「欺瞞のウォーゲーム化」作業グループの 報告書 が公表されました。...