米国務省紛争・安定化作戦局(CSO)が求めるウォーゲーミング専門家
同機関が求める人材が就くポストは計画・監視・評価室「企画・ゲーミング専門官(Planning and Gaming Specialist)」というものであり、CSOの企画方アドバイザーとして計画・戦略企画執行及び関連の戦略企画に従事することになる。勤務場所はワシントンDCである。
主要任務の中身は、
- 机上演習(TTX)を利用して主催国と市民社会のパースペクティブを長期的な安定化戦略に統合、または戦略履行に関する協力関係の調整、
- 大量殺戮に備え不測事態対応の計画、
- 国務省指導部が要請する「低蓋然性・高烈度シナリオ」の計画の展開、
- 国防省の安定化作戦計画の強化、
である。
さらに、具体的な役割は次のとおりである。
- 各種計画の枠組みの更新し政策サイドのニーズへの対応を定型化、
- 紛争・安定化作戦局の企画官育成のため、訓練専門官及び企画補佐官と協力して戦略企画・ゲーミングの訓練を開発・実施
そして、要求される専門性は、
- シナリオ企画、
- 戦略的ゲーミング、または
- レッド・ティーミング分析技法、
である。
勿論、国家公務員に足る「秘密取扱者適格性確認(クリアランス)」をクリアしなければならない。
さらに、紛争解決等専攻、修士号以上の学位取得、海外留学・勤務経験があればなお望ましい。
以上を見ると、かなりハードルは高い。ウォーゲーミングに関する能力のみならず、+アルファの部分がかなり多い。むしろ、ウォーゲーミングに関する専門性は前提で、+アルファの部分が採用の決定要因となるであろう。
但し、この場合のウォーゲーミングに関する専門能力は、低蓋然性・高烈度シナリオ作成能力、レッド・ティーミング、教育・訓練能力も含むものであり、単なるウォーゲーム・デザインのレベルを越える、いわば万能型(all-in-one type)の能力に近い。
現在欧米ではウォーゲーミング専門家のジョブ・マーケットが激しく動いているようなので、このポストがどの程度早期に埋まるか見ものである。
(了)
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