2025年10月10日金曜日

速報:英海軍幹部が新第一海軍卿就任後初のウォーゲームを実施(Breaking News: First Sea Lord oversees new series of Royal Navy strategic wargaming)

 

速報
英海軍幹部が新第一海軍卿就任後初のウォーゲームを実施
(First Sea Lord oversees new series of Royal Navy strategic wargaming)

107日付けの『英国海軍ニュース』は、930日に英海軍(Royal Navy)幹部たちが新任の第一海軍卿(First Sea Lord)による初めてのウォーゲームに参加した旨報じています。

このウォーゲームは、ウスウィック・パークにある防衛実験ウォーゲーミング・ハブ(Defence Experimentation Wargaming Hub)で行われ、第一海軍卿のグウィン・ジェンキンス大将(General Sir Gwyn Jenkins)の他、第二海軍卿のポール・ビーティー中将(Vice Admiral Paul Beattie)及び艦隊司令官のスティーブ・ムーアハウス中将(Vice Admiral Steve Moorhouse)が参加した由。

開会の挨拶で、ジェンキンス大将は次のように述べました。

「ウォーゲームは、我々が今日直面している脅威に対し、今日保有している戦力をどのように適用するかを理解するのに役立つ。 このウォーゲームから、我々は既に進めている戦闘計画をさらに高いレベルに発展させることができる。それにより、国家の信頼性を担保し、抑止力を維持できるようになり、防衛統合戦力の一部として国家を守るという、我々の任務と目的を果たすことができる。」

参加者たちは不安定化する地政学的な状況下で作業し、緊張が高まり、活動がエスカレートするシナリオにおいて、英海軍がNATOと連携してどのような行動をとるべきかを追求した由。

 

 詳しくはこちらで。

 

 ご参考迄

 

(了)

2025年9月28日日曜日

番外編:速報 第9回米・UAE合同軍事対話(JMD)開催 (Breaking News: U.S. and UAE Conduct 9th Joint Military Dialogue)

 番外編

速報
第9回米・UAE合同軍事対話開催
(Breaking News: U.S. and UAE Conduct 9th Joint Military Dialogue)


 202592526日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビにおいて、第9回米UAE合同軍事対話(JMD)が開催されました。

 米当局による報道はこちら


 JMDは米UAE防衛協力を推進する最重要の二国間会合であり、共通の安全保障上の懸念や地域課題を協議し、共同戦略を構築する場です。

 今回の会合では、防空・ミサイル防衛、軍事協力、対外軍事販売、新技術開発など幅広いテーマが議論されました。

 また、米国防イノベーション部門とUAEタワズン評議会との新たな協力や、UAEとテキサス州州兵のパートナーシップ・プログラムについても議題となりました。

 両国は「主要防衛パートナー(MDP)」として、軍事協力や能力開発、長期的防衛協調を一層強化することを確認し、近く特殊部隊に関する意向表明文書に署名することでも合意しました。

 なお、米国がMDPに指定しているのは世界でUAEを含む2か国のみであり、両国は「力による平和」という共通の理念のもと、相互尊重と共通利益に基づく防衛関係をさらに発展させていく方針を再確認しましました。


 ご参考迄


(了)



論考紹介:「ウォーゲーミング史からの若干の教訓」(Jorit Wintjes, "It's all about mentality - some lessons from wargaming history")

 論考紹介

「ウォーゲーミング史からの若干の教訓」

(Jorit Wintjes, "It's all about mentality - some lessons from wargaming history")


 Jorit Wintjes博士(ヴュルツブルク大学、ユリウス=マクシミリアン大学上級講師)によるLinkedin上の論考 "It's all about mentality - some lessons from wargaming historyをご紹介します。

すべては心構えにかかっている ―― ウォーゲーミング史からのいくつかの教訓

要旨

  • プロイセン陸軍におけるウォーゲーミング導入200周年(2024年)及びドイツ海軍でのウォーゲーミング導入150周年(2026年)に挟まれたこの時期に、ウォーゲーミング史から得られる教訓を回顧する。
  • 19世紀初頭のプロイセンでは、ウォーゲーミングは当初若手将校の娯楽であったが、訓練予算不足の冬季教育手段として制度化され、やがて軍学校や部隊教育に広まった。
  • その普及には公式の採用だけでなく、駐屯地ごとに生まれたウォーゲーミング・クラブの存在が大きく、将校が自由時間に遊びながら自然とウォーゲーミングに親しむ文化を形成した。
  • これは英陸軍が1872年にウォーゲーミングを導入した際も同様で、ボランティア部隊や士官クラブ、下士官向けクラブが全国的に広まり、ウォーゲーミングの裾野を広げた。
  • ここから得られる教訓は三点である。
  • 抵抗を乗り越える必要性 ウォーゲーミングを教育手段として定着させるには反発を克服しなければならず、有力な推進者がいても十分ではない。継続的に実施できる「ウォーゲーミングを受け入れる心構え」が不可欠
  • トップダウンだけでは不十分 参謀の教育課程など形式化された教育に組み込むだけでは形骸化の危険がある。むしろ日常の枠外でもウォーゲーミングを奨励し、自ら企画・実施できる人材を育てることが重要
  • ウォーゲーミングは将校専用ではない ウォーゲーミングは「頭脳の体力訓練」として下士官も含むあらゆる階層に有益であり、軍事作戦に不可避な「摩擦」への柔軟な対応力を養うため、全指揮系統で活用されるべき
  • すなわち、ウォーゲーミングを軍事教育に根付かせるには、制度的導入と並んで、クラブ活動や草の根の普及を通じて「ウォーゲーミングに前向きな心構え」を醸成することが決定的に重要


 ご参考迄


(了)

 

2025年9月22日月曜日

速報:2025年度豪コネクションズ・ウォーゲーミング会議開催予定(Breaking News: Connections Oz Wargame Conference 2025)

速報

2025年度豪コネクションズ・ウォーゲーミング会議開催日決定

Breaking News

Connections Oz Wargame Conference 2025


 今年の豪コネクションズ(Connections Oz)の開催日が決まりました。今年もオンラインのみの開催です。

日程:2025年11月12日(水)~13日(木)
主題:発表募集中

 平日開催ですが、オンラインなのでより柔軟に参加できるのではないせしょうか。

 ご参考迄

(了)

2025年9月12日金曜日

速報:米陸軍大学校(AWC)がAIにより従来型の教育的ウォーゲーミングを強化 (US Army War College ”Back to the Basics in Wargaming with a Little Help from AI")

速報
米陸軍大学校(AWC)がAIにより従来型の教育的ウォーゲーミングを強化
(US Army War College "Back to the Basics in Wargaming with a Little Help from AI")

 米陸軍大学校 (Army War College)がAI (LLM)の助けを「ちょっと」借りて、伝統的なウォーゲーミングを強化して教育を行っているという記事の紹介です。
 記事は "Back to the Basics in Wargaming with a Little Help from AI." 同大学校の War Room に掲載されています。

日本語要旨

  • 1914年、Scientific America誌は当時の米陸軍大学校(USAWC)のウォーゲームを「遊びではなく、誤りから学ぶ教育手段」として評価した。
  • 従来のウォーゲームは、規則の厳格さや裁定の煩雑さが学習効果を阻害する課題を抱えていた。
  • 2026年度、USAWCは大規模言語モデル(LLM)を導入した単純な卓上演習を試行した。これにより、学生は計画に集中でき、教員の裁定負担も軽減された。
  • 演習「太平洋戦略」は、台湾独立と中国侵攻を想定し、3日間で危機・侵攻・戦闘を段階的に試行された。
  • 学生は米中双方の視点で戦略を策定し、LLMを用いて情報処理や計画補助を行った。
  • 教員はAIを活用して裁定・フィードバックを行い、結果は肯定的で成功と評価された。
  • しかし、課題として、情報セキュリティ(商用AI利用によるリスク)や地図表示方法、共通パラメータ整備などが指摘された。
  • 今後は、閉じたネットワークで稼働する堅牢なLLMや、ユーザーインターフェース改善、教員チームの多様性・事前訓練が重要である。
  • 総じて、「太平洋戦略」は大規模教育に適用できる単純さと現実性を両立した前進と位置付けられる。
 本ブログ筆者が認識しているだけでも、類似の試みは既に多数あります。既存のスタイルや手法を強化するだけでなく、コロナ以後に急速に開発されたオンライン方式や新たな「Distributed Wargaming」も進化しています。「新たな戦い方」に応じて、シナリオ自体もさらに多様化しています。
 本ブログ筆者も数か月前にこうした試みの1つに参加しました。それは著名なウォーゲーマーがたった1人で一般的な生成AIサービスを駆使して実施された新たな「Distributed Wargaming」でした。いや、それは最早Distributedではありません。実際にDistributeされるのは電子メールにあるリンク先だけです。リンクをクリックすれば、次に展開される世界は...。

 個人のレベルを越え、各種教育機関やシンクタンクの間でも多様な試みがさらになされることでしょう。

 ご参考迄

(了)


2025年8月30日土曜日

Wargame Info: "What if Russia Attacks the UK?" Former UK Ministers and Military Leaders Wargame on Podcast (ウォーゲーム情報:英国元大臣・軍トップ等による「ロシア対英攻撃」ウォーゲーム」(Podcast))

 Wargame Info
"What if Russia Attacks the UK?"
Former UK Ministers and Military Leaders Wargame on Podcast

(ウォーゲーム情報:

英国元大臣・軍トップ等による「ロシア対英攻撃」ウォーゲーム」(Podcast))


 Sky NewsTortoiseによるポッドキャストの5回シリーズ  "The Wargame" の紹介です。

 

Russia knows our weaknesses. But do you?

A major five-partseries from Sky News and Tortoise which imagines how a Russian attack on the UK could play out – and invites real-life former ministers, military chiefs and other experts to figure out how to defend the country. 

Written and presented by Sky News' security and defence editor, Deborah Haynes.

This is Deborah's second podcast series for Sky News.

 

Episodes:

  • Episode 1 False Flag
  • Episode 2 Armed Attack
  • Episode 3 Where is the War Book?
  • Episode 4 Ultimatum
  • Episode 5 The Choice

 ※ "Grey Zone Epidodes" are also available at the site.


(日本語要約)

 ロシアは我々の弱点を知っている。では、あなたはどうか?

 スカイニュースとトーティスが共同制作した全5部構成の大型シリーズ。 ロシアが英国を攻撃した場合、どのような事態が起こり得るかを想定し、元大臣、軍司令官、そして専門家を招き、国を守る方法を検討する。スカイニュースの安全保障・防衛担当編集者であるデボラ・ヘインズが脚本と司会を務める。 本番組はデボラがスカイニュースのために制作した2番目のポッドキャストシリーズである。


 ※ 「グレーゾーン・ウォーゲーム」も同サイトでアクセスできます。


 ご参考迄

 

(了)

2025年8月25日月曜日

速報:スイス・コネクションズ2025開催!(Breaking News: Wargames Suisse Connections 2025 Opens!)

 速報

スイス・コネクションズ2025開催!

(Breaking News: Wargames Suisse Connections 2025 Opens!)


 スイス・コネクションズが発足、初の国際会議が開催されます。
  • 日時:2025年9月20日~21日
  • 場所:Pully and Lausanne, Switzerland
  • 主題:The Art of Game Design(初日)/The Art of Game Play(2日目)

 主催者の紹介は以下の通り。

 Center for Military History and Foresight (CHPM) 2025 The Center for Military History and Foresight (CHPM) was created in 1969 by Colonel (General Staff) Daniel Reichel (1925-1991), director of the Federal Military Library and the Swiss Armed Forces Historical Service, who also specialized in the Napoleonic period. The Center is based at Verte-Rive, General Guisan's residence in Pully, on the shores of Lake Geneva. The CHPM offers to its 240 members regular lectures and activities, interdisciplinary workshops, including a military history course, as well as exchanges on strategic and security studies. The annual program and membership applications are available under the following link : www.chpm.ch

 詳細についてはこちらで。

 スウェーデン、そしてスイス。欧州勢が頑張っていますね。

 ご参考迄

(了)


速報:英海軍幹部が新第一海軍卿就任後初のウォーゲームを実施(Breaking News: First Sea Lord oversees new series of Royal Navy strategic wargaming)

  速報 英海軍幹部が新第一海軍卿就任後初のウォーゲームを実施 (First Sea Lord oversees new series of Royal Navy strategic wargaming) 10 月 7 日付けの『 英国海軍ニュース 』は、 9 月 3...